家事代行のプロが教える！部屋の模様替えで“居心地が劇的に変わる”家具配置のコツ

部屋の「居心地」を決めるのは家具配置だった

家具の配置は、部屋の広さやデザインよりも「快適さ」を左右します。なんとなく落ち着かない部屋には、必ず“動線”や“視覚の抜け”など、見えない要因が潜んでいるのです。まずは、空間の使い方を整理して「居心地の良さ」を設計していきましょう。

◆動線を意識して「ストレスのない導線」をつくる

家具の配置でまず意識したいのは、“動線”です。たとえば、玄関からリビング、リビングからキッチン、キッチンから寝室までの移動。このルートに家具がはみ出していたり、動線を遮る配置になっていると、無意識のうちにストレスを感じてしまいます。特に一人暮らしのワンルームでは、限られたスペースの中で動線を意識することが重要です。よく通るルートを確保し、足元に障害物を置かないことで、スッキリとした印象になります。たとえば、ソファ横のサイドテーブルを少し奥にずらすだけでも、通りやすさは格段に変わります。

◆視線の抜けを意識して「広く見える部屋」に

部屋を広く見せたいなら、“視線の抜け”を意識しましょう。人は部屋に入った瞬間に、無意識で「奥までの見通し」を感じ取ります。そのため、背の高い家具を入口付近に置くと圧迫感が出てしまうのです。おすすめは、背の高い家具を壁際に配置し、中央は低めの家具でまとめること。高さのグラデーションをつけることで、自然と奥行きのある部屋に見えます。また、ガラスや脚付き家具を取り入れると、床面が見える分だけ軽やかな印象に仕上がります。

◆「使う頻度」で配置を考える

使う頻度をもとに家具やアイテムの配置を考えると、日々の暮らしが格段に快適になります。毎日使うもの（リモコン、スマホ充電器、ブランケットなど）は“手の届く範囲”に。季節物や来客用グッズなど、使用頻度の低いものは“高い場所や奥側”に収納しましょう。たとえば、リビングボードの中を「よく使うものゾーン」と「たまに使うものゾーン」に分けるだけでも、探し物の時間が減り、自然と部屋が片付いた印象になります。

目的別に変わる！理想の家具レイアウトの考え方

家具配置には「正解」はありません。大切なのは、あなたがどんな時間を過ごしたいか――つまり空間の目的です。リラックスしたいのか、集中して仕事をしたいのか、友人と楽しく過ごしたいのか。目的によって、理想のレイアウトは変わります。

◆リラックス空間を作る「くつろぎ配置」

仕事終わりにゆっくり映画を観たり、読書をしたり――そんな“くつろぎ空間”をつくるには、ソファとテレビや照明の位置関係がポイントです。真正面にテレビを置くのではなく、少し斜めに配置すると空間に余裕が生まれます。また、床にラグを敷いてゾーニングを行うのもおすすめ。同じ部屋の中でも「くつろぎエリア」を明確にすると、心も自然と落ち着きます。

◆仕事も集中できる「ワークレイアウト」

リモートワークが増えた今、仕事用スペースの快適さも大切。ポイントは、自然光が入る場所にデスクを置くことです。日の光を感じながら作業できる環境は、集中力を高め、ストレスを軽減します。また、背後に壁をつくることで安心感が得られ、オンライン会議の背景も整います。部屋が狭い場合は、折りたたみデスクや壁付けデスクでスペースを有効活用しましょう。

◆友人を招く「コミュニケーション重視」レイアウト

人を招く機会が多い人は、会話のしやすい配置を意識しましょう。たとえば、ソファと椅子をL字に置き、テーブルを囲むように配置することで、自然と顔を合わせて会話ができます。テーブル上に花やキャンドルを置けば、雰囲気も一段とアップ。通路の確保も忘れずに。家具を詰め込みすぎず、動きやすい空間を保つことで居心地の良さが続きます。

部屋を広く＆美しく見せる家具選びのコツ

家具の「配置」だけでなく、「選び方」も居心地に大きく影響します。特に、限られたスペースの一人暮らしでは、色・高さ・素材の選び方で空間の印象がガラリと変わります。ここでは、プロが実践する“狭く見せない家具選び”のポイントを紹介します。

◆明るい色・軽やかな素材で「抜け感」を演出

暗い色の家具は落ち着いた印象を与える反面、圧迫感を生みやすいのがデメリット。ベージュやライトグレー、オーク調などの明るい色を選ぶと、光を反射して部屋が広く見えます。また、ガラス天板や脚付き家具を取り入れると、床面が見えて軽やかさがアップ。インテリア全体のバランスをとるなら、「明るいベース＋木のぬくもり」が失敗しにくい組み合わせです。

◆高さの揃った家具で「統一感」を出す

家具の高さがバラバラだと、視線が乱れ部屋が落ち着かなく見えます。理想は、腰の高さ前後で統一すること。たとえば、チェスト・テレビボード・デスクを同じ高さで揃えると、一気にまとまりが出ます。壁面収納を取り入れる場合は、縦のラインを強調することで“すっきり見え”を実現できます。

◆「見せる収納」と「隠す収納」を使い分ける

おしゃれな部屋に欠かせないのが、このバランス。お気に入りの雑貨や本は“見せる収納”にして、生活感のあるアイテム（リモコン、掃除道具など）は“隠す収納”へ。たとえば、オープンラック＋引き出し収納を組み合わせることで、抜け感と機能性を両立できます。収納ボックスやカゴを色で統一するだけでも、プロが整えたような印象になります。

模様替えを成功させるためのステップとポイント

模様替えを始めようと思っても、どこから手をつけたらいいのかわからない――。そんなときは、プロが実践している「段階的なステップ」を真似してみましょう。少しずつ進めることで、途中で挫折することなく“理想の空間”に近づけます。

◆最初に「不要なもの」を減らす

模様替え前にやるべきことは、整理です。どんなに素敵な家具を置いても、不要なものが残っていてはすぐにごちゃついてしまいます。
「1年以上使っていないもの」「見てもときめかないもの」は思い切って手放す勇気を。家事代行の現場でも、“減らす勇気”が空間の質を大きく変える第一歩です。

◆「テーマカラー」を決めて統一感を出す

色のまとまりは、部屋の印象を大きく左右します。ベースカラー（壁や床）、メインカラー（家具）、アクセントカラー（クッションや雑貨）を。3色以内に絞ることで、センスよく見えます。ナチュラル派なら「ベージュ×ホワイト×グリーン」、モダン派なら「グレー×ブラック×シルバー」など、自分の好みに合わせてバランスを調整しましょう。

◆小物と照明で“雰囲気づくり”を仕上げる

家具を動かしたら、最後は照明と小物の力で仕上げましょう。テーブルランプや間接照明を加えるだけで、光の陰影が生まれ、空間に奥行きが出ます。さらに観葉植物やアートを添えれば、“自分だけの癒し空間”が完成します。照明の色も重要。リラックスしたい空間には暖色系、集中したいスペースには白色光を選ぶのがポイントです。