もしもの時に困らない！今すぐ始める一人暮らしの防災対策

一人暮らしこそ備えが必要な理由

防災対策というと「家族がいる家庭の話」と思われがちですが、実は一人暮らしの方こそ備えておくべきポイントがたくさんあります。なぜなら、災害時にすぐに助けてもらえない状況になる可能性が高いからです。

●頼れる人がすぐそばにいない
一人暮らしの最大のリスクは、助けを求める相手が身近にいないこと。災害発生直後は家族や友人と連絡が取れなくなる可能性が高く、まずは自力で安全を確保する必要があります。倒れた家具の下敷きになったり、停電・断水でパニックにならないよう、最低限の準備が命を守ります。

●防災情報や安否確認が遅れやすい
災害時には、テレビやインターネットが使えなくなる可能性もあります。家族がそばにいない分、地域の情報や避難指示を自分自身でキャッチする必要があります。防災アプリやモバイルバッテリーの準備も重要です。

●備蓄や道具は自分で用意するしかない
実家暮らしやパートナーとの同居と違い、防災グッズや非常食の準備はすべて一人で行わなければなりません。誰かが用意してくれていることはなく、忘れていたらそのまま「備えゼロ」になってしまうのです。

「防災グッズって何をそろえればいいの？」と迷ったら、まずは「3日間、自力で生き延びられる」ことを目安に考えましょう。以下は一人暮らしでもすぐに揃えられる、最低限必要なグッズリストです。

●水・非常食
目安としては水は1人1日3リットル、3日分で9リットルを用意。非常食はレトルトごはん、缶詰、アルファ米、ビスケット、チョコレートなど、調理不要で長期保存できるものがベスト。ローリングストック法（普段から使いながら買い足す）もおすすめです。

●モバイルバッテリー・ライト
災害時は情報収集が命を左右します。スマホの電池が切れたらアウト。モバイルバッテリー（できればソーラー対応）と、懐中電灯・ランタンは必ず準備しましょう。手回し式のラジオ付きライトも便利です。

●簡易トイレ・衛生用品
断水時に困るのがトイレ。袋式の簡易トイレを10回分ほど用意しておくと安心です。加えて、ウェットティッシュ、除菌シート、生理用品（性別問わず）、マスク、常備薬など、衛生を保つグッズも忘れずに。

グッズを揃えるだけでは十分とは言えません。生活スタイルに合わせた「使える防災対策」をしておくことが、一人暮らしを守る鍵になります。

●家具の配置を見直そう
地震のときに倒れてきやすい家具は、背の高い本棚や冷蔵庫、テレビなど。転倒防止グッズ（耐震マット、突っ張り棒、L字金具）を活用して対策しましょう。ベッドの上に棚がないか、就寝時の安全もチェックを。

●避難経路と避難場所の確認
いざ避難が必要なとき、どこに向かうのか迷っていては手遅れになります。自宅周辺の避難場所（公園や学校など）を地図で確認し、できれば一度は実際に歩いてみましょう。エレベーターが使えない場合に備えて階段のルートも確認を。

●バッグに入れる「持ち出しセット」
防災リュックには、前述の水・食料・ライトなどのほか、現金（小銭も）、身分証のコピー、携帯トイレ、エマージェンシーシート、雨具、軍手などを入れておきます。避難時に背負えるリュックタイプがおすすめです。

防災は「特別なこと」ではなく「毎日の延長」で考えるのが継続のコツです。面倒にならずに、無理なく続けられる方法を紹介します。

●防災グッズをインテリアとして取り入れる
最近では、おしゃれなデザインの防災グッズが増えています。防災リュックを見える場所に置いたり、アウトドアグッズを日常で使うなど、見た目を損なわない収納もポイントです。

●スマホに防災アプリを入れる
東京都防災アプリ「東京都防災」や「Yahoo!防災速報」「NHKニュース・防災」などは、災害時にプッシュ通知で情報を得られます。定期的な通知で意識を保ちつつ、ハザードマップの確認にも活用できます

●毎月1日は「防災チェックデー」
月に一度、食品の賞味期限チェックやモバイルバッテリーの充電確認など、小さな点検を習慣化するのがコツ。スマホのリマインダーで忘れずに管理しましょう。2～3ヶ月に一度、防災グッズの中身を見直すとさらに安心です。

一人暮らしの防災対策は「大げさな備え」ではなく、「自分の生活に必要なものを、必要なだけそろえること」が基本です。災害はいつ起こるか分からず、誰かに頼るのが難しい状況も想定して準備する必要があります。

まずは、水と食料、スマホの充電手段、簡易トイレなど最低限の備えからスタートし、防災を「生活の一部」として取り入れてみましょう。忙しい毎日でも、少しの意識と工夫で大きな安心につながります。

「もしも」が来ても慌てず行動できるように。今日からできる小さな一歩を、今すぐ踏み出してみませんか？