ワンダフルストーリーvol.5「宝石のような…」

#ワンダフルストーリー

家事代行事例⑤

宝石のような...

「残り4本となっています。すぐに買っていただけますか?」
ニュージーランド産ワインなら、日本人醸造家が現地で作り世界的な評価を得ているKusuda(クスダ)がいいだろうと、友人のソムリエから教えられました。ワインショップでは見つからず、インターネットで探しあてたときには残り僅か、すぐに阿川さま*に連絡して購入いただきました。

自己紹介をしながらごあいさつをすると、「来月、自宅でパーティをしたいけれどできるかしら?」と聞かれたのです。

阿川さまにはじめてお会いしたのはつい1月ほど前のこと。それまで専門学校でフランス料理とイタリア料理を習い、フランスの料理学校に半年通ってか ら、現地のレストランでしばらく働いていました。帰国後に日本のフランス料理店で働き、その後、ミニメイドのお料理代行キャストとして、伺ったのが阿川さ まのお宅でした。自己紹介をしながらごあいさつをすると、
「来月、自宅でパーティをしたいけれどできるかしら?」と聞かれたのです。
「はい、ぜひお願いします」
普段のお食事とは違い、パーテイー用のお料理を作らせて頂ける事に、ここは腕の見せ所と、嬉しくなりました。

10月の半ばに行われる海外からのVIPを招いてのディナーでは、阿川さまとご相談して、何かお国の特産物を素材にしようと、ワイン、ラム肉など ニュージーランド産を探すことになったのです。ワインに続いて、ラム肉も仔羊の背骨の塊肉が手に入りました。

この日のMenuは……

キノコとほうれん草のタルトレット
ビーツのムースのサラダ
トマトの蟹サラダ詰め
魚介のパエリア仕立て
仔羊の香草風味焼き
洋梨のグラニテ
プチフィナンシェとグレープフルーツのコンフィ

1品1品お出しするたびに「まぁ、ステキ〜」と歓声が上がり、「3つ星レストランでもここまでできない」と喜んでいただけたのです。

ディナーの始まりは、ほうれん草とフランス産の数種のきのこのソテーを小さいタルトレットに載せ、チーズを振ってオーブン焼きにした乾杯用のオード ブルです。

続いて、ガラスの器にビーツのムースを盛り、同じく角切りしたビーツのサラダを載せて、くるみと薄く焼いたバケットを添えた前菜。

サラダとして、トマトの蟹サラダ詰めにトマトコンソメのゼリーを散らしたものをお出ししました。トマトを切ってさらし、ぽたぽたと落ちる水分をゼ リーにしています。透明なのに口に入れた瞬間にトマトの味が広がる趣向です。

次は、普段お出しして好評だったパエリアをお魚料理としてアレンジしたもの。パエリア風のリゾットに魚介のグリルを盛りつけました。

主菜は、仔羊の背骨の塊肉(ラムシャンク)にパン粉と香草を付けて焼き、切り分けて、特製のソースを添えました。フランス産の仔羊しか食べたことが なかったので、ニュージーランド産の仔羊を使って自宅で試作しましたが、とても美味しいお肉で、これなら喜んでいただけると納得しました。

最後は、洋梨三昧のデザートです。洋梨がおいしい時季、ワイングラスに洋梨のコンポート、角切りの洋梨、ヨーグルトベースのソースを層にして、洋梨 のジュースを氷菓にしたグラニテをふんわり盛り、キャラメル状にした飴細工を作ってのせました。金の縁取りが付いたお皿に載せると、グラニテがまるで粉雪 のようで、ゴールドに輝くようなデザートになりました。

お茶と一緒にいただくお菓子には、小さなマドレーヌとルビーグレープフルーツのピールをお付けしました。ピールは少しずつ火を入れながら10日ほど かけて浸け込み(コンフィ)ました。

1品1品お出しするたびに「まぁ、ステキ〜」と歓声が上がり、「3つ星レストランでもここまでできない」と喜んでいただけたのです。

心を込めて丁寧に一生懸命作ると、美味しくなってくれるようです。

阿川さま宅では、普段は家庭料理をお出ししています。阿川さまご夫妻、息子さん2人とお母さまの5人分のお食事を週に3回作っています。月曜日は和 食の日、水曜は中華の日、辛いものがお好きとのことで韓国料理もお出ししています。そして、金曜は洋食の日と決めていますが、何をお出ししても喜んでくだ さいます。「もう200点満点よ!」と、いつもそのように褒めてくださるのです。

お母さまからも、筑前煮や肉ジャガがおいしかった、「舌がしっかりしているから、何でも上手に作りますね」と。そういうときはテレ隠しもあってか、「愛情がこもっているから違うんです♪」とお応えしています。お料理を煮込んでいるときなど、「がんばっておいしくなって〜♪」とお鍋に声をかけながら作るのですが、気持ちはたいせつですね。心を込めて丁寧に一生懸命作ると、美味しくなってくれるようです。

「世の中にはいろいろなお料理があるのに、これは嫌いだから使わないでというと限られてしまう。もしかしたら食べられるかもしれないし、好きになる かもしれないから、気にしないでどんどん出して」とおっしゃってくださるので、料理本を見たり、あちこち研究して、お陰さまでいろいろなお料理をお出しできるようになりました。

素晴らしい機会を与えてくださったことに心より感謝いたします。

先日、ミニメイド本社から、お褒めの言葉がたくさん散りばめられたメールが来ていますよと、阿川さまからのメールを見せられました。そこには次の様 に書かれていました。

「来客時に竹石さんに夕食をお願いいたしましたが、まさに三ツ星級のお料理で、おいでになったご夫妻も大変満足して帰られました。
竹石さんにも申し上げました が、みんなでスタンディングオーベーションしたいくらいの非の打ちどころのないお料理でした。
本当にプロですね、彼女は。
宝石のような方をお送りくださったことに大変感謝しております」

阿川さまからのお言葉に反することのないように、私ももっと腕に磨きをかけていきたいと思います。そして、素晴らしい機会を与えてくださったことに心より感謝いたします。

キャストサービス 竹石 真樹

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